2021年JRAブリーズアップセール 事前注目馬ピックアップ
4/27(火)に中山競馬場で行われるJRAブリーズアップセールの上場馬全84頭の中から注目馬3頭をピックアップ。
本当に良い馬かどうかは当日の騎乗供覧を見てから^_^;
•ピサノレインボーの2019
ニュージーランドトロフィーの勝ち馬ルフトシュトロームや、スプリングステークスを勝ち、皐月賞3着の実績があるガロアクリークと同じLyphard持ちのキンシャサノキセキ産駒。ガロアクリークとは、Blushing Groomを持つという点でも共通している。
菊花賞馬ダンスインザダークやオークス馬ダンスパートナーをはじめ、青葉賞を勝ったスマートロビン(海外で種牡馬入り)など、中長距離での活躍馬が多いキーパートナー牝系なので、ガロアクリークのように距離が持つタイプだろう。本馬と同じくNijinskyを持つキンシャサノキセキ産駒のチュウワノキセキも芝2000mで勝ち星を挙げている。
ピサノレインボーの産駒はこれまでJRAでの勝利がなかったが、これはキーパートナー牝系と好相性であるサンデーサイレンスの血を持つ種牡馬を交配してこなかったことによるものと考えられる。そこにサンデーサイレンス系のキズナをつけることにより誕生した2018年産のイフティファールが、JRAで未勝利戦を勝ち上がったことからもサンデーサイレンス×キーパートナー牝系の相性の良さが伺える。
•ロゼットネビュラの2019
ローザネイを祖とする通称「薔薇一族」。薔薇一族とキングカメハメハ系種牡馬とのカップリングなので、配合のアウトラインは薔薇一族の最高傑作ローズキングダムと同じ。
この牝系はダンスインザダークとのカップリングで京都新聞杯2着のローズプレステージを輩出しており、「サンデーサイレンス×ニジンスキー」の種牡馬とも相性が良く、本馬の父リオンディーズが持つスペシャルウィークの血統構成もダンスインザダークと同じ「サンデーサイレンス×ニジンスキー」。
•マナエヴァの2019
初めてマナエヴァにサンデー系の種牡馬ディープブリランテが交配されて生まれてきたのが本馬。母マナエヴァの持つクロフネ、Machiavellian、Silver Hawk、Nijinskyはいずれもサンデー系と好相性なので、狙う価値はある。また、ディープブリランテ産駒の中で獲得賞金上位のモズベッロ、ミッキーブリランテ、ナムラドノヴァンはいずれも母方にAlmahmoud牝系の種牡馬(Halo、デインヒルなど)を内包しており、本馬もAlmahmoud牝系のMachiavellianを持っているという点も良い。
2021年皐月賞 予想
中山11R 皐月賞
レース全体の予想:「最も速い馬が勝つ」という格言があるレース。「速い」というのをどう解釈するかは人によって見解が分かれるところではあるが、このレースで好走した馬はクラシック終了後マイル路線で活躍することが多いことから、「スピードと機動力を持っていること」=「速い」だと自分なりに解釈している。また、中山芝2000mはRobertの血を持つ馬が好走しやすく、かなり信頼できる。
以上のことを踏まえると、予想のポイントは以下の通りとなる。
・小回りなので、先行できるスピードと機動力が必要。
・Robertの血を持つ馬を積極的に狙う。
◎エフフォーリア
○アドマイヤハダル
▲グラティアス
△ステラヴェローチェ、ヨーホーレイク、ヴィクティファルス、ワールドリバイバル、レッドベルオーブ
見解:
アドマイヤハダル ルメール
牝系レベルA。母系はややスピードに欠けるも、ロードカナロアをつけることで補っている。母系にテスコボーイを持つロードカナロア産駒ということで、ステルヴィオのようなイメージ。ステルヴィオ自身は皐月賞で3着と僅差の4着であったものの、その後マイルCSを勝ったように、スピードがある。また、Lyphardのクロスを持っているので、トップスピードを持続させる能力が高く、早めに動いても直線で脚がなくなることはなさそう。
ステラヴェローチェ 吉田隼人
牝系レベルB。このレースにマッチしているとは言い難いが、Robert持ちなので抑える。
ヴィクティファルス 池添謙一
牝系レベルA。母はシルバーステートの半姉。同牝系にシックスセンスなどがいる。母の父がGalileoなので、ややスピードと機動力に欠くがRobertを持っているので抑える。
ヨーホーレイク 岩田望来
牝系レベルB。父ディープインパクト×母の父フレンチデピュティは中山芝2000mで好成績。兄弟が安定して活躍しているものの、決め手に欠くので勝ち負けはどうか…
エフフォーリア 横山武史
牝系レベルS。父はRobert系種牡馬エピファネイア。同牝系にはアドマイヤムーン、スリープレスナイトなどがいてスピードに長けている。アドマイヤムーンのように好位から押し切る競馬ができるので、この舞台でも安定して力を発揮できそう。
ワールドリバイバル 菱田裕二
牝系レベルS。こちらも父がRobert系種牡馬のエピファネイアで、同牝系にはディープインパクトやレイデオロ、タリスマニックなどがいる。人気薄だが見せ場があっても驚かない。
グラティアス M.デム
牝系レベルA。半姉レシステンシアは阪神ジュベナイルフィリーズをレコード勝ちし、桜花賞とNHKマイルカップで2着。南米牝系の馬はキタサンブラックやマカヒキ、サトノダイヤモンドなどが近年の皐月賞で好走している。
レッドベルオーブ 福永祐一
牝系レベルA。コントレイルと似た血統構成で、自身にマイル重賞勝ちの実績もあり。ディープインパクトの王道配合。直線が長くてワンターンのコースがベストだが、小回りのコーナー4つにも対応できそう。
成功種牡馬の条件
皆さん、こんにちは。
POG2020-2021がスタートしまして、ドラフト制のPOGに参加されている方、すでに指名を終えられて、あとは指名馬の活躍を見守るだけ、という方もいらっしゃると思いますが、まだまだ指名馬の選定に時間を割ける方もおられるでしょう。
現2歳世代は、ディープインパクトやハーツクライ、キングカメハメハ、ダイワメジャーといったリーディング上位の種牡馬が高齢になってから種付けされて生まれた馬たちであり、生産者が徐々に後継種牡馬へと繁殖牝馬を回しはじめた謂わば「移行世代」ですので、今まで通りの選定で臨むと痛い目に遭う可能性があります。
事実、現3歳世代はキズナやエピファネイアといった新種牡馬の初年度産駒であり、他にもゴールドシップなどがバンバン活躍馬を送り出しているのは「種牡馬の移行」というのも背景にあると考えられます。
やはり注目を集めるのはディープインパクト産駒の種牡馬でしょう。生産者向けの種牡馬カタログや、一口馬主のクラブのパンフレットなどで「ディープインパクト後継の〜」「ディープインパクトとよく似た〜」といった広告をよく目にしますがちょっと待ってほしい。
ディープインパクトの後継種牡馬というだけで飛びつくのは危険で、母系が良くないと空振りを繰り返してしまいます。
そこで、今回はあえて失敗例を紹介します。
とても分かりやすい例だと私が思っているのがワールドエースです。
「ワールドエース産駒は、ディープインパクトの産駒と体型や動きがよく似ている」という理由で馬産地で人気になっていました。確かに産駒には小柄で少し非力さを感じさせるもバネはあるというディープインパクト産駒と似た特徴がありました。しかし、いざレースへ行くとスピード不足により上位争いに加われないという厳しい結果が待っていました。
同じディープインパクト産駒の種牡馬であるキズナやリアルインパクトは産駒が活躍しているのに、一体どうしてワールドエースの産駒は勝ち上がらないのだろうと疑問に思い、ワールドエースの血統表を見ると、ワールドエースはG1で活躍している多くのディープインパクト産駒が持っている馬力型の血を持っていなかったことを思い出しました。キズナ、リアルインパクトはきっちりと馬力型の血を母系に持ち、その力で産駒を走らせていたのです。
このことから、私は新種牡馬の産駒を見る際に
『新種牡馬の産駒は、その父自身の戦績や特徴よりも父の母系の血統を見ろ‼︎』
と自分に言い聞かせてから見るようにしています。
しかし、それが通用しない血統もあるんです。それについてはまた今度お話します。
今週もお疲れ様でした‼︎
アクアシャンデリアの2017(レッドサーシャ)のどこに惹かれたのか?
皆さん、こんにちは。お久しぶりです。
またまた間隔が空いてしまいましたが、POG2020-2021も開幕したということで、今日からコツコツ投稿を続けていきます!
前回の投稿の最後に書いたように、今回はレッドサーシャの血統的な魅力について解説しようと思います。
まずはレッドサーシャのプロフィールを簡単に紹介します。
父:スピルバーグ
母:アクアシャンデリア
レッドサーシャはスピルバーグの初年度産駒なのですが、皆さんはスピルバーグという種牡馬についてどのようなイメージをお持ちですか?
スピルバーグの魅力としては、天皇賞・秋を勝ったという実績はもちろん、大種牡馬リファールを輩出したGoofedの牝系に属しており、兄弟にマイルチャンピオンシップ勝ち馬トーセンラーや、アメリカのG1トラヴァーズステークスなどを制したフラワーアレーなどがいるという血統面が非常に魅力的な種牡馬です。
スピルバーグは自分自身がGoofedの牝系に属していながら、Goofedを母に持つリファールのクロスを持つので、Goofedの5×5×5のクロスを持つことになります。
このことだけでもディープインパクト産駒の中では欧州色が強い種牡馬といえるのですが、欧州の至宝サドラーズウェルズの血も入っているんです。全兄のトーセンラーもスピルバーグ自身も古馬になってから本格化しましたが、それにはこういった血統背景が大きく影響しているのではないかと私は考えています。
さて、ではそんなスピルバーグの持つヨーロッパ感は配合する上でどう活かせばよいのでしょうか?
その問いに対する私の答えは
「欧州色が強い繁殖牝馬に配合する」
です。
アクアシャンデリアの父はあのFrankelを送り出したスーパーサイアー"Galileo"。
母の父としてもサクソンウォリアーや重賞2勝のカンタービレ、青葉賞勝ち馬のヴァンキッシュランなどを出しており、代を経ても影響力は絶大です。
アクアシャンデリア自身もリファールを持っているというのも良いですね。直線で使えるスピードの持続力を増幅してくれています。
また、欧州色が強い馬は日本だとスピード負けしてしまうことが懸念されますが、アクアシャンデリアの半弟レッドアルディストが重賞で活躍していましたので中距離以上ならその心配はないと捉えていました。
スピルバーグ産駒はまだ勝ち上がり頭数が少ないですが、欧州色が濃い繁殖との配合が少ないからだと考えています。これまでスピルバーグをつけていたのは日高の中小規模の牧場が多く、そうした牧場はどちらかというとアメリカンな繁殖が多いという背景も大きく影響しているのでしょう。裏を返せば、それがキズナの大ブレイクに繋がっているのですが...
スピルバーグの地位を高めるために、レッドサーシャには頑張ってもらいたいです。重賞に出た時は現地で応援したいので、その頃にはコロナが収束しているといいなぁ(T_T)
久しぶりの投稿/レッドサーシャ新馬勝ちおめでとう‼︎
皆さん、こんにちは。
他のことに熱中してしまい、長らく更新できていませんでした(^_^;)
また今日から再開していこうと思います。
先週はとても嬉しいことがありました。友人が2017年産募集から東京サラブレッドクラブに入会したのですが、初出資馬のレッドサーシャ(アクアシャンデリアの2017)が新馬勝ちを果たしました‼︎
入会時期が少し遅くて、人気の馬はほとんど埋まってしまっていたのですが、2人で相談して最終的に辿り着いたのがレッドサーシャでした。デビュー前からずっと追いかけていた分、勝利の喜びは大きかったです。
そこで復帰後第一弾は「アクアシャンデリアの2017のどこに惹かれたのか?」をテーマにします!
ではまた
POG 2018~2019振り返り
桜花賞トライアルが終了し、いよいよクラシック本番が近づいてきました。皆さんの今年度の成績はいかがでしょうか。日本ダービーが終了した翌週には次のPOGが開始されます。今年度よりも成績を上げるために、早めに振り返りをしておきましょう。
今年度の成績を見て再認識できたことがあります。それは、POG本に載っている現場の方のコメントはあまり気にする必要はないということと、新馬戦で負けてしまっても悲観的になる必要はなく、結局、重賞を勝つ「当たり」は「過去に活躍馬を出している牝系or配合」という箱の中に入っていることが多いのだということです。以下に、2016年産の主要な重賞勝ち馬を挙げておきます。
・ダノンファンタジー:ディープインパクト×南米牝系(母ライフフォーセールはアルゼンチンのG1勝ち馬)という組み合わせからは、2016年のダービー馬マカヒキや、同レース2着で菊花賞、有馬記念を制したサトノダイヤモンドが出ています。また、ディープインパクト×Lyphardを持つ繁殖牝馬の組み合わせからは重賞勝ち馬が多数誕生しています。
・グランアレグリア:ディープインパクト×Seattle Slew系を父に持つ繁殖牝馬との組み合わせからは皐月賞馬アルアイン、Fappianoを持つ繁殖牝馬との組み合わせからはラキシスとサトノアラジン兄弟や、朝日杯FSを勝ったダノンプラチナなどが出ています。またDamascusを持っている繁殖牝馬との組み合わせからは2013年のダービー馬キズナや、重賞3勝を挙げたラストインパクトが出ています。
・サートゥルナーリア:母シーザリオは日米オークス馬で、半兄にはエピファネイア、リオンディーズといったG1馬がいます。
・ケイデンスコール:ロイヤルサッシュの牝系で、この牝系は1988年のマイルCS勝ち馬サッカーボーイから2018年阪神カップ勝ち馬ダイアナヘイローまで、長年活躍馬を生み出し続けています。ステイゴールド、ショウナンパンドラ、バランスオブゲームなど重賞勝ち馬多数。
・アドマイヤマーズ:SingspielとMachiavellianを併せ持つ繁殖牝馬からはローブティサージュなどが出ています。SingspielやMachiavellianはHaloを持っているため、近年では毎年活躍馬が多数出ているHaloのクロスが成立しています。
・ニシノデイジー:Somethingroyal牝系。米国クラシック三冠最後のベルモントSで、2着馬に31馬身差という歴史的大差をつけて三冠を達成したSecretariatや、現在は種牡馬として大活躍しているロードカナロアが生まれた牝系です。三代前の母ニシノフラワーもG1を3勝しています。
・シェーングランツ:母スタセリタはフランスのオークス勝ち馬で、半姉のソウルスターリングはG1を2賞しています。
・クラージュゲリエ:フェアリードール牝系で、この牝系からはトゥザヴィクトリーやデニムアンドルビー、サイレントディールなどが出ています。また、キングカメハメハ×フェアリードール牝系の繁殖牝馬からは、トゥザグローリー、トゥザワールド、トーセンビクトリーが出ています。
・ヴァルディゼール:Sex Appeal牝系で、この牝系からはフサイチパンドラやその産駒アーモンドアイが出ています。さらに、ロードカナロア×Sex Appeal牝系の繁殖牝馬の組み合わせもアーモンドアイと同じです。
・フィリアプーラ:ハービンジャー×サンデーサイレンス系を父に持つ繁殖牝馬の組み合わせからは、ディアドラ、ペルシアンナイト、ドレッドノータスが出ています。また、クリアアンバーの牝系で、この牝系からは有馬記念を制したアンバーシャダイなどが出ています。
・ラストドラフト:マルバイユ牝系で、母マルセリーナは桜花賞馬、母の半弟グランデッツァは重賞を3勝を挙げています。
・ダノンチェイサー:ディープインパクト×Danzigを持つ繁殖牝馬の組み合わせからは重賞勝ち馬が多数誕生しており、なかでもDanehillを持っているディープインパクト産駒からはミッキーアイル、ダノンプレミアム、プリモシーン、サトノアーサー、サトノアレス、秋華賞で2着とアーモンドアイに食い下がったミッキーチャームなどが出ています。
・ダノンキングリー:ディープインパクト×Storm Catを父に持つ繁殖牝馬の組み合わせからは、リアルスティール、エイシンヒカリ、サトノアラジン、ラキシス、キズナ、アユサン、スタディオブマンといったG1馬が多数誕生している最も有名なニックス。半兄ダノンレジェンドはダートG1馬。母がダート馬でIn RealityとSecretariatを持っているという、2018年ダービー馬ワグネリアンとの共通点がある。
・クロノジェネシス:ラスティックベル牝系。この牝系からはフサイチエアデール、フサイチリシャール、ノームコアといった重賞勝ち馬が出ている。
・メイショウテンゲン:ディープインパクト×フレンチデピュティを持つ繁殖牝馬の組み合わせからは、ショウナンパンドラ、マカヒキ、カミノタサハラ、ステファノス、シャイニングレイなどの重賞勝ち馬が多数誕生している定番ニックス。
・ノーワン:当ブログの配合解説書をご覧下さい。
次回は「POGというゲーム」についての考え方です。よろしくお願いします。
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父:ハーツクライ
母:プレイガール
母の父:Caerleon
血統的な魅力
日本競馬界に数多の活躍馬を送り出してきたSun Princess牝系の出身。フサイチコンコルド、アンライバルド、ヴィクトリーといったクラシックレース勝ち馬や、中長距離路線で活躍したリンカーンなどを輩出しています。500万条件の身で引退したミラクルアドマイヤは種牡馬として、G1レースを2勝したカンパニーを出しています。最近現れた大物は、2017年のダービートライアル青葉賞をレースレコードで快勝し、日本ダービー本番では1番人気に支持されたアドミラブルが挙げられます。
この牝系の特徴のひとつとして、トニービンとの相性の良さが挙げられます。本馬の母プレイガールはトニービンの血を持っていませんが、父のハーツクライからその血を取り込んでいます。
また、欧州マイラータイプ(Lyphard、Miesqueなど)の血を持つ繁殖牝馬とサンデーサイレンス系種牡馬との組み合わせからは活躍馬が多数生まれています。本馬の母プレイガールは父にCaerleon(産駒が日本のマイル戦線で活躍)を持つため、ハーツクライとの組み合わせは相性が良いといえます。
すでに1400mの重賞で優勝している本馬。さらなる大舞台での活躍を期待しています。